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過去の自分に対する反省と、駆け出し翻訳者への応援メッセージ

翻訳祭でのハプニング

翻訳祭で起こった出来事です。

あるセミナーに参加し、同セミナーの参加者とネットワーキングをする機会が与えられました。

ネットワーキングは、自分の席の近くの人たちと話すことから始まります。

専業翻訳者、兼業翻訳者、まだ翻訳者駆け出しの人、海外ですでに翻訳会社を経営している人など、いろいろなバックグラウンドの人の話を聞くことができて、ある意味楽しいひと時でした。

しかし、とんだハプニングが勃発。

セミナー主催の会社の人を交えて意見交換をする機会が設けられ、どんな話が聞けるのかとワクワクしていたのですが…。

意見交換の第一声が、ある翻訳者のトライアルに関する文句だったのです!

ある意味で、「翻訳者あるある」の文句でした。

文句のまとめ
  • トライアルを受けたのに、不合格だった
  • 不合格の理由(どこが悪かったのか)を教えてもらえない
  • 教えてもらえなければ、翻訳者は成長できない
  • 翻訳者あっての翻訳会社だから、翻訳者を育てるべき
  • トライアルが難しすぎる、あんなに難しかったら、誰も合格しないはず

翻訳者の文句に対して反論

同席していた翻訳者が、上記の理由で、翻訳会社の方に食ってかかっていました。

あまりの勢いに、翻訳会社側も対応に困った状態。

そこで見るに見かねて、思わず、翻訳会社側に肩入れしていると思われかねない言動に出てしまったのです。

例えば、

「トライアル不合格の理由を、トライアル受験者に伝えるべき」

という発言に対して、

「トライアルを受ける人間の数は、ものすごいはず。その人たち1人1人に対してトライアルのどこで落ちたのかなどをコメントするとなると、翻訳会社の時間や人件費などの損失につながってしまう。なので、翻訳会社としてはできないのではないか」

と反論したり、

「翻訳者を育てるべき」

という発言に対して、

「翻訳者にとって翻訳会社は得意先であり、お金を支払っていただく側なので、育てる義務はない。翻訳者を育てるのは自分自身」

と説教じみたことを言ってしまったり。

話はヒートアップしていき、最後の

「トライアルが難しすぎる、あんなに難しかったら、誰も合格しないはず」

との発言で、思わず、

「いえ、私、合格しましたから」

と、とうとう口走ってしまいました。

この言葉で、その翻訳者を傷つけてしまったのは確かです。

セミナーの終わりに、

「あなた、この会社のトライアルに合格したんでしょ。どこで勉強したの?〇〇(某有名翻訳スクール)とか?」と聞かれ、

「まぁ、某翻訳スクールも試したことはありますけど、勉強時間が全く足らない状態でした。それがよくわかったので、これまでの2年間、自分に許される限りの時間を、すべて勉強につぎ込んできたんですよね。トライアル合格はその結果です」

と答えました。

そして、「ここのトライアルは合格できましたけど、実際には、これまでにたくさん不合格通知を受け取りましたよ」と付けたしました。

その翻訳者さんは、私の答えでは満足できなかったようで、「私だって、それなりに勉強してきてるのよね…」と言いながら去っていかれましたが。

反論してしまった理由を考える

実は、このやり取りが、今でも心の中でずっと引っかかっています。

関東訪問からの帰宅後、主人にも同じ話をしたのですが、賛同を得るどころか、

“How come did you become an ass-licker this time? Usually, you are pretty much sympathetic and considerate of others. What happened to you?”

と言われ、再度ブチ切れてしまいました。

とにかく、何かが気に入らず、イライラしてしまう。

自分は翻訳者であるのにもかかわらず、どうして翻訳会社側の肩を持つような態度を取ってしまったのか。

同じような立場である駆け出しの翻訳者に対し、どうしてもっと優しい対応をしてあげられなかったのか。

関東訪問後に病気で寝込んでしまったということもあり、1週間ほどいろいろと考えました。

その結果、その翻訳者が夢子であり、夢子だった頃の自分を重ね合わせてしまい、その翻訳者と自分自身に「そんな考えじゃダメだ!翻訳会社に嫌われてしまうぞ!翻訳者として成功できなくなるぞ!」と伝えたかったんだ、と理解しました。

残念ながら、伝えきれずにイライラして、最終的に爆発してしまいましたが。

夢子であった過去の自分への反省&夢子脱却を試みている駆け出し翻訳者への応援メッセージ

トライアルに合格できないときのツラさなど、本当によくわかります。

一時期まったくトライアルに合格できず、不合格通知ばかりが舞い込んできて、かなり落ち込んでいた経験がありますので。

しかし、そんな不満を翻訳会社にぶつけてしまっても、何の解決にもならない。

それどころか、名刺交換などをして自分の名前を知られてしまったら、後ほど実力が上がり、トライアルに合格するレベルになったとしても、

「コイツ、意見交換で文句言ってきた面倒くさいやつだったから、仕事を振ると大変なことになるぞ。こういうやっかいな人材は採用したくないから、不合格にしておこう」

との流れになりかねませんよね。

結局は、自分が抱える不満を、どうにか成長エネルギーに変換させて、プロの翻訳者としての道を、自力で少しずつ上っていくしかないと思っています。

翻訳会社(あるいは取引先)といい関係を築いていくのも、フリーランス翻訳者にとって必要不可欠なこと。

自ら翻訳会社との関係を壊す行動に出るなんて、もっての外です。

翻訳者になりたいという強い希望を持っているのであれば、夢子を夢子のまま終わらせてはもったいない。

あの翻訳者が、このことにできるだけ早く気づき、将来的に翻訳者として活躍してくれればいいな、と心の底から願っています。

夢子であった過去の自分に対する反省であり、夢子脱却を試みている駆け出し翻訳者への応援メッセージでした。

でもやっぱり、人を傷つけるのはよくないよね

とはいえ、やはり、人を傷つけてしまったことに対しては猛省しています。

ご一緒した翻訳者さん、本当に申し訳ありませんでした。

主人の言う通り、この先は人を思いやる心を忘れることなく、行動していきたいと思います。