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露光装置の照明の原理:超入門編

露光装置の照明ってどんなもの?

半導体・露光装置と言われて、「ああ、あの露光装置の照明ね」とわかるとしたら、半導体全般について知識のある方かと思います。

「照明」と聞けば、光に関係するものとの想像はつきますが、、露光装置において具体的にどんなもので、どんな役割をしているのかまでは知らない人が多いのではないでしょうか。

たぶん露光装置の画像を見たとしても、うまく想像できないと思います。

© 電子情報技術産業協会

露光装置と影絵の共通点

では、露光装置の照明を、身近なものに例えてみましょう。

「影絵」でしたら、みなさんもご存知ですよね。

© WaffleBoo – Fotolia.com

影絵をするのに、どんなもが使われていますか?

まず、光があります。

そして、ウサギなどの形に切った影絵のパターンに、その光を当てます。

そのパターンの影をスクリーンに映し出すことで、遊んだりお芝居をしたりしますよね。

この3つ(光、パターン、スクリーン)が、影絵を作り出すために必要不可欠な要素となるのです。

下記の画像の露光装置も、同じです。

©株式会社トラスト精密

光を出すためのものは、光源

光を当てるパターンは、レクチルマスク

パターンを映し出すスクリーンは、ウエハ

となります。

光源、レクチルまたはマスク(以下マスクとします)、ウエハの3つが揃うことで、やっと露光できるのですね。

これまでの話から、露光装置というのは、

「影絵の影を、投影する装置」

といえるのではないでしょうか。

露光装置と影絵の違い

露光装置の場合、この光源が懐中電灯などではなく、レーザーだったり、水銀灯だったり、電子ビームだったりします。

影絵であれば、1つのスクリーンに動物や人間や建物などシルエットを同じ大きさで映し出せばいいのですが、半導体の場合はそうはいきません。

マスクと同じサイズのチップを作ってしまったら、携帯電話が下記の動画のようになってしまい、大変なことになります。

携帯電話やその他の電子機器等を小型化するためには、露光装置で作られるチップを小さくする必要があるのです。

また、量産化するためにも、1つのウエハにチップを100個とか200個作らなくてはいけません。

というのも、露光装置1台にかかる費用は、何十億という世界なのです。

ですので、半導体露光装置では、マスクを等倍で投影するのではなく、縮小投影する技術が一般的に使われているのです。

©Nikon

上記画像のように、縮小投影レンズを使ってマスクのパターンを小さくし、ウエハを露光します。

これであれば、チップを小型化できますし、量産にも向いていますね。

ちなみに、上記画像内のコンデンサレンズは、光源からの光を集光させるために使われており、パターンを小さくするための縮小投影レンズとは役割が違います。

まとめ

ここでもう一度、おさらいです。

露光装置・照明の3要素プラス縮小させるもの
  1. 光源(光を出すもの)
  2. レクチルまたはマスク(影絵のパターン)
  3. ウエハ(パターンを映し出すスクリーン)
  4. 縮小投影レンズ(パターンを小さくするもの)

露光装置=「影絵の影を縮小して、投影する装置」

この要点さえつかめば、最初はよくわからなかった露光装置の仕組みの画像も、理解できるようになるのではないでしょうか。

© 電子情報技術産業協会

 

少しはこのブログ記事も、成仏に近づけたかな。



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