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学習記録

学習記録(07/16/2019 – 07/22/2019)

今週の振り返り

 

ビデオ視聴

・3159_勉強法の基本
・3161_Just_Right!_のススメ
・3164_デュアラーのススメ
・3157_訳語確定と可視化
・3171_地方移住を考える
・3163_実験思考
・3174_ゲーム翻訳の未来
・3178_翻訳祭2019について
・3175_伝え方の技術
・動画メルマガ:あなたの専門は何ですか?

その他

・実ジョブ

ほぼ実ジョブ一色の1週間

先週、特許翻訳案件をいただき、今週はその案件にドップリ浸かっていました。

自分の場合、係り受けの間違いをしてしまうことがあるので、「センテンスの意味がしっかり通っているか、パラグラフとして意味がまとまっているか」を確認しながら翻訳作業を進めました。

処理速度は日に日に上がっていきましたが、クレームに入った途端に急低下。

クレーム、本当に手ごわいです。

しかし、何とか全部翻訳し終え、見直し、後処理に進むことができました。

産業翻訳との違いを感じた特許翻訳体験

初特許翻訳案件でしたが、翻訳作業中に「産業翻訳とは違うな」と感じた点として、

  • 文章のかたさ
  • 文章の長さ
  • 文の構造(特に請求項)
  • 繰り返し表現の多さ
  • 定型表現の多さ
  • 後処理の方法

などがあります。

全ての項目の具体例をブログに書こうと思うとかなりの長さになってしまうので、今回は2つだけ記載します。

文章のかたさ

特許明細書の文章って、本当に「かたい」ですよね。

文章がゴツゴツしているというか、直訳風というか。

また、”use”を「使う」ではなく「使用する」や「利用する」、「消費する」の表現にしたり、”adjacent”を「隣り合った」ではなく「隣接した」などにしたりと、漢字熟語を好んで使う傾向にあります。

直訳風とは書きましたが、直訳ではありませんので、念のため。

直訳でいいんだったら、「みらい翻訳」や「T-4OO」などの自動翻訳に全てお任せすればいいわけで、そうなると翻訳者は必要なくなりますから。

文章の長さ

特許明細書内には、すごく長い文章が存在します。

例えば、シャープ株式会社の特許からの抜粋。

Electric vehicle, electrical charger/discharger, electrical charging/discharging system, control program, and recording medium

(WO2013115193A1)

The electric vehicle according to the present invention, and a connection detecting means for detecting the operation acceptance means for accepting a discharge start operation of the user, whether the connector of the charging and discharging unit is connected to the electric vehicle, the operation reception means accepts discharge start operation of the user, and the connection detection means, when the connector is detected that it is connected to the electric vehicle, wherein the control power supply means and said control power to the discharge control unit it is preferable to supply.

(対訳)

本発明に係る電気自動車では、ユーザの放電開始操作を受け付ける操作受付手段と、前記充放電器のコネクタが前記電気自動車に接続されているか否かを検出する接続検出手段とを備え、前記操作受付手段がユーザの放電開始操作を受け付け、かつ、前記接続検出手段が、前記コネクタが前記電気自動車に接続されていることを検出した場合に、前記制御電力供給手段は前記放電制御部に前記制御電力を供給することが好ましい。

これが1センテンスって、長くないですか。

このような長い文章がサラッと頭の中に入ってこない場合は、Xmind Proや秀丸エディタなどで文を分解し、内容理解してから翻訳しないと、とんでもない訳文ができあがってしまいます。

今回の案件も、”that” 、 “which” 、”and”、”wherein”などをいくつも使ってどんどん後ろに修飾されている超長い文章がいくつもありました。

「翻訳すると、修飾された(既述の内容)部分が、修飾前の部分(初出の内容)よりも前にきちゃうんだけど、どう対処しよう?」や、「これって、2文に分けたほうが内容が理解しやすくなると思うんだけど、どこで切るのが一番いいんだろう?」とかなり悩むこと十数回。

このような表現に慣れて、サクサクと翻訳作業できるようになるまでには、もう少し時間がかかりそうです。

特許明細書で間違い探しができる

実は、今回いただいた案件で、10か所以上の間違いを見つけました。

ビックリです。

多かったのは、数字の間違い。

例えば、「赤ペン1」、「青ペン2」が正しいはずなのに、急に「赤ペン2」となったり、「青ペン10」となったり。

また、明細書に「図1に記載された赤ペン製造工程45」と書かれているのに、実際の図1の図面には、赤ペン製造工程45が存在しなかったり。

その他にも、文法の間違い、タイポ、大文字&小文字の間違いなど、いろいろな種類の間違いを見つけました。

「ああ、数字を書き間違えちゃったのね」くらいのミスならいいのですが、文法の間違いやタイポのせいで文章の意味が変わってきてしまう場合は、本当に要注意です。

産業翻訳の作業中でもタイポなど見つけたことはありましたが、ここまで多くはありませんでした。

この「原文の間違いの多さ」も、特許翻訳あるあるなのでしょうか。

また、この原文の間違いを指摘できなければ、クライアントから「翻訳者失格」の烙印を押されてしまいそうです。

「役に立つ翻訳者」の地位を獲得するには、このような翻訳作業にも気を付けなけない、ということですね。

来週はトライアルに集中、プラス子どもの世話も

すでに後処理もほぼ完了し、納品目前となりました。

来週はトライアルに集中できそうです。

もし余裕があれば、子どもたちの夏休みの宿題の手伝いなどもしてあげたいですし、週末には夏のイベントにも連れて行ってあげたいと思っています。

長雨も終わり、どうやら本格的な夏が到来するようなので、皆さん、健康管理には十分に気を付けながら過ごしましょうね。

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